医療関連感染 (HAI) は、患者様にも医療従事者にも影響を及ぼす世界的な問題となっています。 財政的見地からいえば、HAI が医療施設に及ぼす影響は年間推定67億ドルにのぼるとされ、人件費はさらに高くなります。 米国疾病予防管理センター (CDC) が 2007年3月- 4月期に発行したレポートによると、医療関連感染による米国の死亡者の数は2002年で98,987人にのぼると推定されています。 しかしながら、この研究の著者が指摘しているように「HAI に関する全米データを統合し一元化したソースが現時点では存在しない」ため、実際の数字はさらに高くなると思われます。1
世界保健機関では、「世界中で常に140万もの人々が医療施設で受けた感染症に苦しんでいる」と推定しています。 発展途上国で医療関連感染に罹患する危険性は、先進国と比較して2~20倍も高くなります。2
最近まで、医療施設には HAI 報告義務が課せられておらず、そのため医療関連感染の発生源を除去しようという動きは最善とは言い難い状況にあります。 しかしながら、この問題に対する大衆の関心が高まり、州・地域レベルで責任を求める法律制定につながるという動きを受け、HAI 撲滅への取り組みも活発になってきました。
医療現場での感染症
CDC の報告によれば、医療現場で感染および発症する可能性のある感染症、すなわち潜在的な医療関連感染 (HAI) として以下を挙げています。3
| アシネトバクター |
血液媒介病原体 |
セパシア菌 |
水ぼうそう(水痘) |
| クロストリジウム・ディフィシル |
クロストリジウム・ソルデリ |
クロイツフェルト・ヤコブ病 (CJD) |
エボラ(ウイルス性出血熱) |
| 胃腸 (GI) 感染 |
A 型肝炎 |
B 型肝炎 |
C 型肝炎 |
| HIV / エイズ |
インフルエンザ |
MRSA - メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 |
おたふく風邪 |
| ノロウイルス |
パルボウイルス |
ポリオウイルス |
肺炎 |
| 風疹 |
SARS |
肺炎レンサ球菌(薬物耐性) |
結核 |
| 水痘(水ぼうそう) |
ウイルス性出血熱(エボラ) |
VISA - バンコマイシン低感受性黄色ブドウ球菌 |
VRE - バンコマイシン耐性腸球菌 |
最終更新日:2006年5月22日
1. Public Health Reports / 2007年3月・4月 / 第 122 巻、160 ページ
2. World Alliance for Patient Safety, Global Patient Safety Challenge 2005–2006: Clean Care is Safer Care. Geneva: World Health Organization, 2005
3. http://www.cdc.gov/ncidod/dhqp/id.html
HAI のうち、大きな割合を占めるカテゴリーには広く 3 種類あります。 各カテゴリーの詳細は、以下のリンクをクリックしてご覧ください。